碧プロジェクト

ステージ４の末期がんから生還。生かされている理由

余命２カ月の肺がんと宣告されてから約13年。

ステージ４の末期がんから生還した今も

定期的な検診を受けていますが、元気に人生を謳歌しています。

 

2011年春に肺がんの宣告を受けました。

がんは肺全体に広がり手術ができないため

抗がん剤治療を受けることになりましたが、５年後の生存率は５％。

「ぜったい５％に入る」と決めました。

そして、もっとも天国に近いと噂される病棟に入院する日、

「がんを克服できたら他人のために役立ちたい」と手を合わせました。

 

途中で断念する人がほとんどと言われる強力な抗がん剤治療は、

医師や看護師さんに「頑張って」と声を掛けられても

「体験したこともないのに簡単に言わないで」と言ってしまうほど

理性を働かせる余裕はありませんでした。

嘔吐し、毛が抜け、顔は黒く変色し、爪も割れ、心は沈むばかり。

そんな私の支えになったのは２人の娘でした。

 

あるとき医師から「何かやりたいことはある？」と聞かれ

「子どものランドセル姿を見たい」と答えました。

すると医師は「そんな先ではなく、今すぐやりたいことは？」と言いました。

それほど死が目の前に迫っていたのでしょう。

医師の立場では、現実を直視するのは当たり前のことですが

私に必要だったのは、自分の力を信じて生きる「未来」でした。

 

副作用に苦しみ身も心もボロボロになりながら

前向きに「生きる」と決め、戦い続けて数カ月。

奇跡的にがん細胞が消え

院長に「いったい何をしたのですか？」と聞かれました。

院長の長年の経験から

「がん治療は医療の力だけでなく、精神の持ち方も左右する」

と感じていたそうです。

 

「末期がんから生還した私に与えられた使命は何だろう」

と考えるようになりました。

闘病生活は、家族以外には伝えていませんでした。

でも「生かされている」ことを実感し

感謝の気持ちを伝えるためにカミングアウトしました。

 

生きていることを祝う意味も込めて

2013年には、同級生の生年祝いイベントの幹事を引き受けました。

学生時代のおとなしい私を見ている人の目には不思議に映ったようです。

人の前に立つなんて考えられなかったからです。

 

「目立ちたがり」と揶揄する人もいました。

でも、与えられた命を意識しながら生きている私にとって、

マイナスに引き寄せられている時間はありません。

「未来に向けてイキイキと輝きたい」

と願う人の役に立ちたいと決めました。

 

カウンセラーやラジオパーソナリティーも

自分のためであればやっていないでしょう。

私の経験を役立てたい、心が弱っている人に寄り添いたい

という思いに突き動かされています。

 

厳格な両親のもとで育った多感な10代

愛する男性との出会いと別れ

そして、末期がんからの生還

どの経験も私にとって必然であり

私を成長させてくれた素晴らしい経験でした。

 

この経験をすべて出し切って、

その人らしさを開花させ、

未来を幸せに導くお手伝いをさせていただきたいと思っています。

それが私の生かされている理由だからです。​